イタリアの水田地帯。
そこには森があって、水路がある。
アルプスのわき水が豊富な土地。
数十年前のイタリアの農家。
そこには今の若者が使わないイタリア語が
たくさんある。
「alla buona」
家族のように、多少行儀悪くてもいいから
おかまいなく食べてね、という意味の言葉。
無礼講というのが近いかもしれない。ある人が
「今は言わなくなったな」と懐かしむように
言っていた。しかし、パヴィアの老人が話す田舎の方言は
まるで別の言葉のようでちっともわからない。
もちろん田舎特有の矛盾に満ちた
精神風土はあるけれど、人と人の距離が
数十年前と同じように近いままだ。何か
一緒に仕事をしてお客さんじゃなくなった時、
外国人という垣根は簡単に無くなってしまうのだった。
ワインの世界は、ちょっと特殊で、
見栄や理念、そういう箔を誰もが好む。
オリーブも、バルサミコも、イタリアを
代表する食材となると多かれ少なかれ
自尊心や誇張が入り交じるものだ。
ここは、そういう意味で本当の田舎。
昔ながらのイタリア。